生物多様性情報学の出張所

生物多様性情報学関係のあれこれを中心に扱います。「生物多様性情報学の情報交換の場」の投稿の抜粋中心。

Global Plant

世界の70ヶ国、270のハーバリア(植物標本庫)が所蔵する、タイプ標本など2百万点の標本画像データベースです。タイプ標本の検証をオンラインで容易に行うことを第一の目的とした連携プロジェクト「Global Plants Initiative」によって構築されました。興味深いことに、学術雑誌のバックナンバーのデータベースを提供するJSTORから公開されています。ヨーロッパには、図書から博物館や美術館の収蔵品までを一手に扱うアーカイブプロジェクト「Europeana」がありますが、そのコンセプトにも近いかもしれません。

Global Plantは、生物の名前や分布情報共有の枠組みであるGBIF、自然史関係書籍の巨大データベースであるBiodiversity Heritage Library、植物の名前や分布情報などの統合データベースTropicosなどと連携しており、全体として植物の分類情報の活用に大きく貢献しています。

非常に良い取り組みなのですが、アジアで参加している国は日本を含め全くありません。自然史科学連合や分類学会連合あたりで、こういった世界のプロジェクトとの連携を考えてもらえるといいのではないかな、と思います。

http://plants.jstor.org/

国会図書館カレントアウェアネスポータルの記事:
http://current.ndl.go.jp/node/23471